7年間の美容師経験がある30代男性の方にアンケートをとりました。
今回アンケートに回答くださった方は、独立して美容室を構えようと思ったときにふと自分を振り返り、そしてまったく違う異業種のお店を開業することに決めました。
ただ回答者さんが美容師時代に感じたことや経験したことは、とても貴重なことばかりだと思います。
そこで今回は回答者さんがどんな経験をなさってきたのか、ご紹介したいと思います。
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30代で美容師から転職し、自営で異業種のお店を開業した男性の体験談
◆あなたの「お名前・年齢・性別」を教えてください。
34歳男性、「秀一」といいます。
◆現在の状態を教えてください。
元美容師です。
復帰する予定はありません。
◆美容師歴何年ですか?もしくは何年美容師をしていましたか?
7年です。
◆美容師だった時の収入を教えてください。
美容師時代は月収約24万円でした。
◆自身の働きに対して給料は見合ったものでしたか?給与形態には満足ですか?良い場合も不満な場合も、その理由を教えてください。
自身の働き方に対して、給料は見合っていました。
給与形態は部分歩合で、売り上げが月一定以上を超えた場合歩合が付くという内容でしたが、「一定」の規準が当時の自身ではハードルが高く、その超え方もイメージがつかない状態でした。
◆どうして美容師になろうと思いましたか?その経緯を教えてください。
学生時代に美容師のTVドラマを見て「こんなにカッコいい仕事があるのか」と、衝撃を受けたのが始まりです。
その後進路を決める段階になり、スーツを着てネクタイを締める仕事に就くために大学へ行くのがどうしても嫌でした。
好きな服を着て好きな髪型で「憧れたTVドラマの主人公のようにモテたい」という思いが強くなり、美容学校に関しての情報を集めました。
普段通っている美容室や祖父が美容学校の理事長と面識があったため、ツテで美容学校の合宿の様子を見に行ったりしているうちに、完全に美容師になることを決意していました。
◆実際に美容師になってみて、なる前と後のギャップはありましたか?想像していたのと比べて何が違いましたか?
専門学校で勉強しながら、放課後は最寄り駅の美容室でインターンを1年ほどしておりました。
このときに一番イメージと違ったのは、店内で立っている時間の多さでした。
いきなりカットはできなくても学校の授業でシャンプーは練習していましたので、そのくらいはすぐにさせてもらえるものだと思っていました。
ところがシャンプーの社内テストに合格しないと、お客様の髪に触れる機会も少なく、ひたすら掃除と受付、お茶出しやおしゃべりなどをしており、足が棒になる毎日に下積みの大変さと理想とのギャップを感じました。
◆過去の労働環境に満足でしたか?どんな状況が理想的ですか?
美容師時代の労働環境には満足しておりました。
満足というよりも美容業界以外の一般常識を知らなかったため、自身の置かれている環境が普通だと思っておりました。
当時は今ほど労働時間が厳しく設定されていなかったので、朝9時に出勤し、開店準備~21時閉店、その後深夜2時3時まで技術の練習をすることにそれほど違和感は感じていませんでした。
休日も街に出てモデルハントを行なわなければならず、大変だったのは事実です。
給料やシフトに関しても、独立して自分のお店を開業するまでは仕方ないと割り切っていました。
いくらでもお店に残り、夜に好きなだけ技術の練習ができるわけですから、技術者として自身の腕を磨くという意味では、働ける時間に厳しい今よりも理想的だったという考え方もできます。
◆美容師をやめてしまった人に質問です。何が原因ですか?
ひと通りの美容の技術が身につき、資金をためて自身のお店を構えようと思ったときに、たまった資金を見てふと思いました。
「本当に自分の美容室を持ちたいか?」と。
増え続ける美容室に対して減り続ける人口と、自身の持っている技術を考えたときに、答えは「NO」でした。
30代でしたが思い切って転職し、資金は「海外でマリンショップを開く」というまったく違った使い方をしました。
◆美容師になりたい人に先輩からのアドバイス、気をつけておいた方がいいことを教えてください。
美容師は職人であり、サービス業であり、世界で見ても日本の美容業界のレベルが高いのは間違いないです。
素晴らしい職業ですが、華やかさ以上に地味で過酷な時間も多いです。
いろんな場所でいろんな人としゃべり、狭い美容業界の外へも積極的に出て、新しい風を業界内に吹かせる素敵な美容師になってください。
30代で美容師から転職した男性の体験談「まとめ」
- TVドラマの美容師に憧れて美容師の道を選んだ。
- 最初はなかなかカットさせてもらえず、立ちっぱなしの時間が多かったことに驚いた。
- 昔は閉店後にいくらでも店に残って練習できたので、技術を習得するには理想的な環境だった。
- 独立を考えた時に美容室ではなく、海外でマリンショップを開業することを決断をした。
美容師の新人時代は閉店後の練習が辛かったという声が多いなか、回答者さんは「昔はいくらでも店に残って練習ができた」ととらえて、前向きに練習をしてきました。
そして、自分のお店を構えるための資金を見たときに自分を振り返り、美容室を開業するのではなくマリンショップを開くために資金を使いました。
ここでの振り返りと転職はとても勇気がいることで、本当に関心させられます。
美容師としても前向きにたくさんの経験を積まれた回答者さんなので、マリンショップはきっと成功されていることと思います。
こういった転身もあるのだなと、すごく興味深く読ませていただきました。
「機転が利く」「それに乗れる勇気を持っている」というのも、仕事をする上でとても大切な能力ですね。
以上、30代で美容師から転職し、自営で異業種のお店を開業した男性の体験談でした。
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