お客様と縮毛矯正の話をしていると、たまに「失敗されたことがある」という話になります。
その中でもよくあるケースは、
- ストレートしたのに逆に広がる
- 毛先がチリチリなった
ってことですね。
失敗されると、せっかく大切にしていた髪が台無しになるので、怒りと悲しみと落胆で超ブルーになりますよね。
くせ毛で扱いにくいから縮毛矯正したのに、チリチリなったり、逆に広がったら本末転倒です。
美容師としては本当にそういったことにならないようにしたいものです。
今回は以下の内容について考えてみたいと思います。
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縮毛矯正が失敗した原因は何?
縮毛矯正したのに髪が逆に広がる理由としては、「施術でダメージし過ぎたことが原因」で、毛先がチリチリになってしまったからです。(ビビリ毛といいます)
- 薬剤のパワーが強すぎた
- 放置時間を置きすぎた
- ブローやアイロンで引っ張りすぎた
- もともと超ダメージ毛で縮毛矯正に耐えられない髪だった
いくつかの要因が挙げられますが、いずれにしても「広がる部分へのダメージが大き過ぎた」ということです。
最近ではヘアカラーが当たり前になっているので、カラーリングを何度もくり返している髪へ(特に髪全体のカラーリングをよくしている場合)は、こういう失敗になることがあります。
髪は毛先にいくほどダメージしています。髪が長くなればなるほど、毛先のダメージは大きくなります。
そしてダメージしている毛先は、薬剤に対してものすごく過敏に反応します。
そのダメージ部分に縮毛矯正剤をつける場合は、放置時間の最後にほんのちょっとだけ付けばいいんですね。
それだけで十分効果を得られます。
薬剤が過剰に効きすぎてしまった髪は、濡れた状態になると「テロンテロンのもずく状態」になります。
この状態がとっても危険です。
- ちょっとの力で切れ毛になりやすい。
- 濡れた時はゴムみたいに伸びるし、千切れやすいので危険。
- 乾かす時にものすごく引っかかるし、チリチリ部分が切れやすい。
美容師だったら、なるべくこの髪には出会いたくないでしょう。 (^。^;)
この状態の髪へ縮毛矯正するということは、いわば高層マンションの間をロープをつなげて、綱渡りしている感じです。
一歩踏み外すと、下へ真っ逆さま。
それぐらい絶妙なコントロールが求められます。
危険ですよね。
そんなことをする必要があるのは、世間に名を知らしめたいスタントマンのみ。
普通の人はそんな危険なことをしません。
髪にも同じことが言えて、普通はそんな危険な状態に縮毛矯正はしません。
縮毛矯正しても大丈夫な状態で施術することが大切です。
超ダメージヘアには縮毛矯正しない
これが大切です。
どうして縮毛矯正したらダメなのかしっかり説明して、髪の状態が良くなるまで施術を控えるようにお伝えすることも美容師の大切な仕事です。
どんな状態でもなんでもかんでも施術をするのは、結果的にはそのお客様のためにならないこともあります。
縮毛矯正失敗で毛先がチリチリし逆に広がる、「ビビリ毛」の対処方法
チリチリでビビリ毛になってしまった特にひどい部分をカットする
縮毛矯正が失敗して逆に広がる、チリチリになった場合の対処方法ですが、一番いいのはそのビビリ毛部分をカットして取り除くことです。
痛んだ髪は元には戻らないので、カットしても良いなら、ダメージした部分を取り除いてしまうのがベストです。
再度縮毛矯正をするのはさらにダメージを重ねることになります。
ダメージが原因でそんな状態になっている所にもう一度施術しても、悪化することはあっても、良い状態になることはありません。
トリートメントや洗い流さないトリートメントでのケアを入念に行う
でも、どうしてもカットしたくない場合もあると思います。
そういった時はトリートメントや洗い流さないトリートメントで髪のひっかかりを抑えつつ、カットしてもいい頃になるまでケアすることです。
髪が伸びてチリチリ部分をカットできるようになると、ようやくそのケアが終了です。
トリートメントや洗い流さないトリートメントは、どれだけ良いものを使っても髪が完全に修復し、その効果が持続することはありません。
シャンプーして洗い流せばその効果はなくなります。
なので、毎日ヘアケアを続けることが大切です。
▼ おすすめヘアケア
⇒ 縮毛矯正ビビリ毛の対処を「椿油ヘアクリーム」でケアし、目立ちにくくした体験談
ストレートアイロンで広がる部分を伸ばす
広がる部分、チリチリになっている部分を毎日ストレートアイロンで伸ばします。
これもシャンプーするとその効果はなくなりますので、毎日アイロンする必要があります。
しかし毎日のアイロンにはダメージがつきものです。最悪切れ毛になることがあるので、使用する際はそこを注意してください。
毛先部分がビビリ毛になっている場合は、毎日アイロンして万が一切れ毛になってもカットして修正しやすいですが、
中間部分などがビビリ毛になっている場合は、途中で切れ毛になると大変なことになるのでアイロンはしないようにしてください。
もう一度縮毛矯正をやり直しして修正する
毛先のチリチリ部分をやり直しする施術をしている美容室もあります。
そこで一か八か挑戦することもできます。
しかしこの対処方法は、わたしとしてはとてもおすすめできません。
その理由については以下になります。
縮毛矯正失敗毛にやり直しがおすすめでない理由
- ダメージ部分にさらにダメージを与える。
- 失敗したら更にチリチリになる。
- 最悪、切れ毛になる。
- 改善できたとしても、ダメージが酷い状態。
- 改善したとしてもそれは一瞬で、持続しないこともある。
また、こういったやり直しをする際は、「自己責任で施術を受けてください」と説明を受けるはずです。
- 成功の保証はありません。
- 失敗しても責任は負えません。
- チリチリが直ったとしても、それが続くとはいえない。
- 髪の質感が直ることはない。
こういった状況で本当に施術をする必要があるのかどうか、疑問に思います。
そして、もう一つ。
もし縮毛矯正に再挑戦する場合は、同じ美容室でやり直ししない方が良いと思います。
くやしいと思いますが…。
ほとんどの美容室が保証期間を設けてるので、そこでやってもらいたいという気持ちはとてもよく分かります。
しかし毛先がチリチリで広がる状態の髪は、前回よりもさらに難易度が高い施術になります。
1回目より2回目の方が断然難しいのに、1回目で失敗した美容室でもう1度やり直ししても、自分が望む仕上がりになるとは思えません。
縮毛矯正の失敗を回避するための予防対策
縮毛矯正失敗で「毛先がチリチリし逆に広がる」「ビビリ毛」への対処方法
- カットする
- トリートメントでケアする
- ストレートアイロンで伸ばす
- 悪化を覚悟で再度縮毛矯正の修正をする
どれも妥協案なので納得いかないかもしれませんが、「痛んだ髪は直らない」という原則があるので、どうしてもそういう対処しかできません。
そういった状況にならないように、まずは美容室や美容師が最善の努力をするのはもちろんです。
お客様側としてはそういった状況にならないためにも、次のポイントを意識して施術する美容室や美容師を決めると良いのではないでしょうか。
価格が安すぎる美容室を避ける
- 安い薬剤、強い薬剤を使っている。
- 価格が安いと人数をたくさんこなさないといけないので、流れ作業になりやすい。
- 多人数での接客だと、お客様の髪の状態の情報共有が難しい。
- 多人数での接客だと、施術の際の技術の微調整が難しい。
- 経験の未熟なアシスタントが施術していることもある。
などの理由からです。
縮毛矯正の施術に慣れた美容室や美容師を探す
◆ベテラン美容師だったとしても、縮毛矯正の施術をほとんどしていなければビギナーと一緒。
⇒ 美容師歴が長いからといって安心できるわけではない。施術を現役でし続けてる美容師が一番。
◆縮毛矯正をほとんどしていない美容室もある。
⇒ 縮毛矯正をほとんどしていなければ、これまたビギナーと一緒。失敗の確率が高くなる。
信頼できる美容室や美容師を探す方法としては
- 行きつけの信頼できる美容室や美容師にしてもらう
- 縮毛矯正している友達や知り合いに聞いて探す
- 縮毛矯正を売りにしている美容室を探す
などしてみてください。
初めて行く美容室で縮毛矯正しない
ベテラン美容師になってくると、大体の髪質や髪の状態から「どういった施術をすれば良いのか」分かるようになってきます。
ですが、それも100%完璧で絶対失敗しないというわけではありません。
中には予想外の髪質や髪の状態があります。
何度か来店して髪質を深く理解してもらってから施術を行うと、失敗の確率がグンと減ります。
縮毛矯正を「中止した方が良い場合は教えてください」と伝える
わたしも以前そうでしたが、「断ったりしたらダメだ」と思っている美容室や美容師さんが多くあります。
お客様からそう言っていただけると、無理して施術することがなくなります。
失敗を避けるためにはそういった一言も「とても」有効です。
<失敗を避けるために施術前のカウンセリングで一言添える>
「もし縮毛矯正を中止した方が良い場合は教えてください」
以上、縮毛矯正失敗の原因と対処方法「チリチリで広がるビビリ毛のケア/おすすめトリートメントは?やり直しはどうする?」などについて考えてみました。
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