- すきバサミを使えば使うほど髪がダメージしている気がする。枝毛ができやすい。
- すきバサミ使った後は切れ毛が大量に出る。
- 髪を梳くとパサパサになる。
髪を梳かれすぎた経験ありませんか?
そういった際には上記のようなことになりやすいです。
特に「旧式のすきバサミ」を使っていると。
すきバサミが痛むのは旧式だから。
最新シザーは髪に優しい。
新旧どちらのすきバサミを使っているのか気になる方は、カットを担当する美容師にシザーを見せてもらって下さい。
一目瞭然だから。
今だに「旧式 すきバサミ」を使っている美容師が多いのは事実です。
そして「どうして すきバサミが痛むのか?」その構造と使い方をよく理解していない美容師が多いのも事実です。
この2つを解決すれば、もっと髪のダメージを減らすことができます。
- 髪に優しい最新のすきバサミを使用する。
- すきバサミを使用するのに適切な箇所と、最適な使用量を加減する。
髪のダメージにお悩みの際は、ヘアカラーやパーマといった施術に意識を向けるだけでなく、カットにも注目してみると良いかもしれませんね。
今回は「どうして旧式のすきバサミは痛むのか?」「どうして最新のすきバサミは髪に優しいのか?」その辺りの理論を詳しく解説します。
【この記事の内容】
すきバサミが痛む原因について ◇旧式タイプは構造上に問題あり
櫛刃がU字やV字の溝タイプのすきバサミが痛む原因
まずは「刃の部分」の説明です。
すきバサミには「櫛刃」と「棒刃」と呼ばれる部分があります。
- 「棒刃」は通常のカットシザーと同じ真っ直ぐな刃付けで、鋭く切れる刃があります。
- 「櫛刃」はクシ状になっていて、その先端はジグザグしています。(刃先は刃付けしていない、切れない状態)
これを踏まえて今から説明していきます。
髪を痛めやすい「第1世代のすきバサミ構造」
櫛刃の先端部分がU字やV字になっているタイプが「第1世代」。今回旧式タイプと呼んでいるセニングシザー(すきバサミ)です。
セニングシザーは構造に工夫を凝らして「切る髪」と「切らない髪」を選別することで、梳く作業を行います。
その選別作業に必要なのが櫛刃の先端部分です。
この第1世代セニングシザーの何が痛むのかというと、U字やV字の溝に落ちた髪はあまり痛めずにカットできますが、溝に入らず平らな部分に乗っかった髪は、棒刃に押し潰されてしまいます。
- 押し潰されて切断の断面が悪くなる(=ダメージにつながる)
- ちぎれかけの髪もできる(後々の切れ毛につながる)
- 中途半端に切れ目が入った髪ができて、その周辺からダメージが広がる。
こういったことからU字やV字タイプの第1世代セニングシザーは、構造的にどうしても髪を痛めやすくなってしまいます。
これは構造上の問題なので、美容師のテクニックでどうこうできるものではなく、セニングシザーを変更するほかありません。
シザーメーカーはこのセニングシザーの構造上の欠陥を当然わかっていると思いますが、信じられないことに、まだ今でも普通に販売されています。
しかも大半がこういった旧式タイプのものです。(販売しやすいお手頃価格だから?)
当然これらのセニングシザーを販売しているメーカーは、こういった構造上、髪の毛を痛めやすいということは説明していません。(ということから美容師だけの問題でもない気がするが…)
進化を遂げた!髪に優しい最新のセニングシザー
櫛刃の形状を変えて傷みにくい 第2世代のセニングシザー
こういったU字/V字タイプの構造上の欠陥を解決するために作られたのが、「特殊形状刃」のセニングシザーです。
櫛刃の形状に工夫を凝らすことで、髪を潰したり・ちぎったりすることなく、カットできるようにしています。
■ 特殊形状刃の一例がこちらです。
ある程度の髪は溝に残しつつも、他の髪は下に滑り落ちるように工夫が凝らされています。
U字/V字タイプの欠点、「押し潰す」ことがなくなります。
溝に入らない髪は櫛刃から自然に滑り落ちる構造になっています。
こういった工夫を凝らすことで第1世代に比べて、劇的に「傷みにくいセニングシザー」に進化しています。
これが第2世代といわれています。
これだけでも大きな進化といえます。
毛髪の断面図もカットシザーで切ったように、キレイな切り口になっています。(上図参照)
これであれば梳いた後の髪のダメージも「カットシザーと同じ」です。
さらに進化し「ソフトな切れ味」と「自然な仕上がり」を実現、第3世代の最新セニングシザー
第3世代のセニングシザーはさらに進化し、「よりソフトな切れ味で髪に優しく」「より自然な仕上がり」を実現しています。
第2世代までは髪を櫛刃で「受けて切る」だったのを、最新タイプでは「流しながら切る」に発想を転換しています。
こうすることで切れ味がよりソフトになり、もちろん髪にも優しくなります。(髪を受けて切ることで切れ味が重くなる)
また髪を流しながらカットすることで「梳く際にラインが出にくくなる」ので、より自然な仕上がりにすることができます。
髪への優しさのためにこだわった「櫛刃の形状」
セニング使用時の髪の引っかかりを改善するためには、「櫛刃の間を髪が抜けやすくする」必要があります。
そのために櫛刃の支柱を「できるだけ細く」しています。(斜線の部分)
櫛刃の根元はだいぶん細くなっていますが、鋼を鍛造する技術により十分に強度を増しているので、日々のサロンワークにも耐えられるようになっています。
さらに櫛刃の底を平たくすることで、もっと髪の抜けが良くなります。
画像を見ればよく分かると思います。
櫛刃と櫛刃の間も大きく開いていて、下に流れ落ちた髪もスルスル抜けるようになっています。
一目瞭然です。
ラインが出にくいので自然な仕上がりに
第3世代のセニングシザーは櫛刃の刃先の形状が、隣り合った髪の毛を切らないように設計されているので、どの角度で、どうセニングを入れても、ラインが出にくいように工夫が凝らされています。
たとえセニングシザーを無造作に入れたとしても、自然な仕上がりに仕上げやすくなっています。
最新セニングシザー「まとめ」
- 特殊形状で傷みにくい
- 押し潰さない、カットの断面がキレイ(=枝毛になりにくい)
- 途中が切れ残しができにくい(=ダメージ低減)
- 髪の抜けが良いので引っかかりにくく、傷みにくい
- ラインが出にくい(自然な仕上がり)
以上が一般のお客様向け内容です。
以降は美容師向けの内容になりますので、一般のお客様は下記項目まで読み飛ばしてください。
セニングシザーに関する疑問をメーカーに聞いてみた(美容師向け記事)
◆この部分はマニアックな内容なので、どちらかというと美容師向けの内容です。
ということで、書き方も一般のお客様に向けてではなく、美容師向けに書いています。
一般のお客様は知らなくても大丈夫ですので、読み飛ばしてください。
以下はメーカーさんにセニングシザーに関する疑問を回答していただきましたので、それを記載しておきます。
傷みにくいセニングシザーを探している美容師さんの参考になれば幸いです。
櫛刃にも刃付けをして両方からカットする方が傷まないのでは?
【メーカー担当者の回答】 まず話を分かりやすくするために、先にカットシザーとセニングシザーの切り方の違いを説明させてください。
ご質問の通り、カットシザーであれば、動刃・静刃の両方に鋭い刃付けがなされていた方が、より切れ味が増すことは間違いありません。
上図はハサミを横から見たところですが、このようにカットシザーは、動刃と静刃の両方に鋭い刃付けがしてあります。
それに対してセニングシザーは片側が櫛刃になっているので、「大抵の場合、鋭い刃付けがしてあるのは棒刃の方のみ」です。
それはなぜか?
カットシザーとセニングシザーでは、ハサミの構造が根本的に違うので、切り方の発想も大きく異なるのです。
ではセニングシザーは、どのような切り方なのでしょうか?
セニングの切り方は、櫛刃に溝をつけ、そこに入った毛を逃がさないようにして、鋭い刃付けの棒刃でカットする「ギロチン方式」です。(上図参照)
上図はセニングシザーが出始めた頃、どこのメーカーも作っていた型ですが、
- V溝に入る髪の毛はしっかり切れるが、V溝に入らない髪の毛を棒刃で傷めてしまう。
- 隣り合った髪の毛を切ってしまうので、どうしてもラインが出やすい。
- 髪の毛を束にして切るので、重い切れ味になってしまう。
という構造的な3つの問題点がありました。(下図参照)
第1世代のセニングシザーは作業の効率面に関していえば、一定の評価をされました。
ただ「構造的にお客様の髪の毛を傷めてしまう」、しかも「美容師さんの使い方次第でどうこうできる問題ではない」という事実はやはり見過ごせない欠点でありました。
それから少しの時が流れ、この3つの問題点を劇的に改善したセニングシザーが登場しました。
どう改善したかというと、
- 溝以外の刃先を斜めにすることで、溝に入らない髪の毛を上手く逃がす。(押し潰す髪がなくなる)
- 溝を小分けにして分散させることで、隣り合った髪の毛を切らないようにする。(ラインが出にくくなる)
- その工夫により束で切らなくなったため、切れ味もソフトになる。
このように、3つの問題を大きく改善しました。(下図参照)
そしてその第2世代をさらに進化させたのが、「第3世代」セニングシザーです。(下図参照)
ではここで質問に戻りますが、「櫛刃にも刃付けをした方が両方からスパっと切ることができるので、髪のダメージが減るのでは?」のご指摘の通り、第3世代セニングの櫛刃に刃付けを施してみます。
さて、いったいどうなるのでしょうか?
下の図をご覧ください。
このように櫛刃に鋭い刃付けをすると、溝に入った髪の毛はより簡単に切れるようになるでしょうが、一方で「溝に入らなかった髪の毛を傷める原因も同時に作ってしまう」のです。
なので、櫛刃には刃付けをしていないのです。
棒刃に特殊刃付けしているセニングシザーは傷みにくいのでは?
- 【櫛刃】 平坦で刃付けをしている
- 【棒刃】 セニングを引くときに髪を痛めにくいように、棒刃に特殊刃付けをしている。
こちらは●●というブランドが作っているセニングシザーですね。
このセニングシザーの最大のウリは、「引っかかりません!」ということだと思います。
当社のセニングシザーもそうですが、普通のセニングシザーは棒刃に鋭い刃付け(下図の青い部分)が成されています。(そうじゃないと切れないですから)
ただこの構造の場合「毛髪2」の位置にある髪の毛は問題ないですが、「毛髪1」の位置にある髪の毛が棒刃に触れたままセニングを引くと「ガリガリ」と傷つけてしまうことになります。
なので、髪の毛が棒刃に当たらないように気をつける必要があります。
その点、●●社のセニングシザーは棒刃に特殊刃付けしているので、「毛髪1」の位置にある髪の毛であっても傷つけないという理屈ですね。(上図参照)
確かに棒刃に鋭い刃付けがしていないのであれば「抜くときに髪の毛を棒刃に引っかけて傷めてしまう問題」は、ほぼ気にする必要がなくなります。
ただ櫛刃に刃付けをすることで、別の問題が発生するのでは???
そもそも、第1世代セニングの問題点は、溝に入っていない髪の毛を傷つけてしまうことにありました。(下図参照)
●●社のセニングシザーを同じ構図で見てみると、棒刃の刃付けが櫛刃に変わっただけで、切る原理は第1世代セニングと同じだということがわかります。
この構造のセニングシザーだと、
- 第1世代セニングシザー同様に、髪の毛を傷つけてしまう。
- 櫛刃に溝がない分、しっかり切りきる点においては第1世代セニングシザーより劣る。
- 隣あった髪の毛を切る構造なので、ラインは出やすい。
ということがいえると思います。
それに加え、
- 細い櫛刃を鋭利にすると、落とした時に刃が欠けやすくなる。(棒刃と違って櫛刃は修復不可能)
- 櫛刃が細くなると、棒刃とこすれた時に音が出やすくなる。
などの問題も考えられます。
上記のようなリスクを抱えてまで「抜くときに髪の毛を棒刃に引っかけて傷めてしまう問題を解決する必要があるのか?」というのが私の率直な感想です。
なぜなら「セニングを閉じたまま抜かないようにする!」など、使い手の工夫次第でいくらでも対応できる話だからです。
棒刃で髪を傷めてしまう問題について もう少し解説
「抜くときに髪の毛を棒刃に引っかけて傷めてしまう小問題」について、もう少し踏み込んでみます。
まずなぜこの問題をあえて小問題として扱っているかですが、セニングシザーを普通に使っていれば、棒刃と髪の毛は下図のような位置関係になっているはずです。
下図のようになることは、まずありません。
だから問題があるとすれば、セニングで一度に大量の毛量をカットしようとする(そもそもセニングの使い方として正しくありませんが^^)とか、
カットした後、セニングを下に引っ張りながら抜こうとするなど、正しい使い方をしなかった時ぐらいのものではないかと。
普通にセニングを使うシーンで気をつける状況があるとしたら、めがねタイプで棒刃を下にして使う時ぐらいでしょうか。
その場合であっても、セニングを少し傾けて抜いてあげれば、髪の毛を傷めることはありません。(下図参照)
このようにセニングシザーの構造を理解して正しい使い方さえ覚えれば、「抜くときに髪の毛を棒刃に引っかけて傷めてしまう小問題」は簡単に回避することができます。
なのでセニングシザーで髪の毛を傷める問題の本丸は、あくまでも「櫛刃の形状で髪の毛を傷めてしまう大問題」にあることは間違いありません。
(そもそもセニングシザーの一番の問題は、櫛刃の形状からどうしても傷んだ髪の毛が発生してしまい、使い手の工夫だけではそれを解決できないことにありました。)
両櫛刃タイプのセニングシザーはどうなの?
実は「両櫛セニング」も「抜くときに髪の毛を棒刃に引っかけて傷めてしまう小問題を解決するツール」として紹介されていることが多いのです。(上画像)
これに至ってはもう棒刃自体がないので、確かに髪の毛を傷めることはありません。
じゃー問題はないのか? と言うと…、あります(^^;
両櫛セニングの最大の問題点は「作るのが難しい!」ことです。
そもそもハサミの切る原理は、「2つの刃が1点でピッタリと交差しつつ進んでいくことで、2つの刃の間にある物を切断する」です。(下図参照)
しかも実際には「タメ」というものがあり、上の刃は下に、下の刃は上に行こうとする作用が働いているのです。
そんな原理で切っているハサミの片方を「溝のある櫛刃にする」わけですから、上手く作らないと棒刃が櫛刃の溝に引っかかってしまうのです。
引っかかるセニングではただの不良品ですから、大半の職人さんはそれを恐れて「開き気味に作る」ことが多いんです。
で、開き気味に作ると、今度はパクつく原因になると…。
このようにセニングシザーは作るのが難しいので、それでなくても良いモノが少ないのです。
ましてや両櫛のセニングとなったらさらに難易度が上がるので、本当に良いモノを見つけられるのか…。
そんな苦労をしてまで手に入れるほどのメリットはないと、個人的には思います。
なぜなら「抜くときに髪の毛を棒刃に引っかけて傷めてしまう小問題」は、使い手の工夫次第でいくらでも対応できる話だからです。
(あと櫛刃は落とした時に刃が欠けやすくなりますし、また棒刃と違って櫛刃は修復不可能ということも、長期的に愛用していただくためには耐久性の問題が残ります。)
というわけで、セニングシザーの解説は以上になります。
【まとめ】すきバサミで痛む/切れ毛/枝毛/バサバサになるのは旧式タイプ ◇構造上の問題なので最新式に変更で解決
◆旧式タイプのすきバサミは構造上の問題で、梳く際に、
- 押し潰すように切断される髪ができる
- ちぎれかけの髪ができる
- 切れ目がいくこともある
などの原因からダメージしやすく、枝毛や切れ毛、バサバサした質感の髪にやりやすいのが問題でした。
◆そういった欠点を解決するために生まれたのが「第2世代」
切断した髪はカットシザーと同じ、キレイな断面になる。(=傷みにくい)
◆それをさらに進化させたのが「第3世代」
- 特殊形状で髪が傷みにくい、枝毛になりにくい
- 髪を押し潰さない、切断面がキレイ(=ダメージ拡大防止)
- 途中の切れ残しができにくい
- 髪の抜けが良いので引っかかりにくい
- ラインが出にくく自然な仕上がり
すきバサミはこの10数年でここまで進化しています。
もしすきバサミが痛むと感じる場合には、カットを担当する美容師にシザーを見せてもらって下さい。
そうすると、どの世代のすきバサミを使ってるか一目瞭然です。
旧式タイプだとその構造上、髪のダメージを避けることは不可能です。
こういった理由から、現在は「第3世代のセニングシザー」を使用しています。
「すきバサミが髪を痛めてしまうのでは?」とご心配の方は、「すきバサミにもいろいろある」ということをご理解いただけたらと思います。
すきバサミを使わなくても(カットシザーで毛量調節した場合でも)、痛むのは同じ
よく「すきバサミが髪のダメージの原因」と考えられていますが、例えカットシザーだけで毛量調節した場合でも、髪を減らすほどに「痛みやすくなる」「バサバサした質感になる」ことは同じです。
それはこういったことが関係しています。
- レイヤーなしのワンレングスが一番ダメージ少ない。(※ワンレングスとは上から下まで同じ長さの髪型)
- レイヤーを入れるとワンレングスよりも痛む。ツヤや手触りが悪くなる。
- 毛量を減らすと毛量調節なしよりも痛む。ツヤや手触りが悪くなる。
ようは髪の切断面だけが問題ではなく、毛量やヘアスタイルも髪のダメージ・ツヤ・手触りに関係するからです。
極論をいうと、髪のツヤを良くしてダメージを最小限したいなら、「レイヤーもなにも入れないワンレングス(毛量調節もなし)」にすればできます。
だからといって、常に毛量調節なしのワンレングスがいいのかというと、そうではありません。
- 単純に重い髪型だし、毛量が多い人の場合は、極太ヘアになる。
- くせ毛の場合は広がって分厚い髪型になる。
- 毛先の毛量調節がないと逆に収まりが悪くなるし、ハネやすくもなる。馴染まない髪型になる。
- デザイン性ゼロ。
- 短い長さでは分厚いおかっぱヘアに仕上がる。ダサい。
- 顔の形をカバーすることができない。
- 個人への似合わせもできない。
- 後頭部の丸みを作ったり、ひし形シルエットなどの調節もできない。
- セットする場合に巻きにくい。内巻きにしずらい。
などなどたくさんのデメリットがあります。
髪のダメージとヘアスタイルのバランスをとりながら、最適な方法で、適切に髪型を作っていくことが大切です。
もう1点、「カットシザーの使い方でも髪が痛むことがある」のは知っておいた方がいいかもしれません。
髪に対して斜めにカットシザーを入れると、切断面が竹ヤリのように斜めになります。
こういった場合は髪の切断面が外部と触れる部分が多くなり、痛みやすくなります。
スライドカットって知ってますか?
ハサミをスライドしながらカットする技法ですが、これはしていることはレザーでカットしていることと同じです。
髪を斜めに削りながらカットすると、痛むのは容易に理解できると思います。
カットシザーだけを使う場合でも、適切な方法で毛量調節しないと髪のダメージや質感が悪くなるのは同じです。
道具をよく理解して、どういう風に使うのが一番なのか。
またどういう風なヘアスタイルに仕上げるのが一番最適なのか。
ということを考えながら、カットすることが一番大切ではないかと思います。
すきバサミを使わないからいい美容師?すきバサミを使うと下手な美容師?
これも上記の内容と少しカブりますが、施術する側のポイントとしては、
- 道具をよく理解して、どういう風に使うのが一番最適なのか把握する。
- お客様のご要望に寄り添うには、どういうカットをすれば良いのかを適切に理解する。
- そのためにはどこにレイヤーを入れて、どこの毛量をどれだけ、またどうやって減らせば良いのかを正しく判断する。
といったことが重要なのではと思います。
- カットの上手下手はすきバサミの有無ではなく、全体的なバランス。
- まずはベースのカットがきちんとできるか?
- 梳く(毛量調節する)ことで扱いやすさや、ヘアスタイルの持ちが決まる。
すきバサミはカットを構成するほんの一部です。
たとえ良いすきバサミを使ったとしても、たとえカットシザーのみでカットしたとしても、上のことが実行できていなければ、髪のダメージを減らしつつ良いヘアスタイルに仕上げることはできません。
じゃあどうやってカットが上手な美容師を判断するの?
お客様側として判断する場合なら、数回通えばその美容師が本当に良い美容師なのか下手なのかはよく分かると思います。
- 髪型は良くなったのか?
- 扱いやすくなったのか?セットはしやすい?
- ヘアスタイルの持ちはどう?
- 髪のダメージは悪化していないか?
などを「少し時間が経ってから」判断するといいと思います。
※数カ月後ぐらいの髪の状態で判断するのが一番ポイントです。(ごまかしがきかない)
直後での判断だとトリートメント等でしばらくは改善されているかもしれないし、毛量調節の影響が出やすいのもしばらく経ってからです。
以上、すきバサミや髪のダメージなどについてでした。