スタジオ・ココでは着色剤(染料)を抜いた脱色剤のみのヘアカラーのことを、「色が入ってない=クリア」という意味で、「クリアカラー」と呼んでいます。
このヘアカラーはお客様の様々なご要望にお答えするために、大変重宝しています。
- クリアカラーは一体どんなものなのか?
- どういう人に向いているのか?
ご説明します。
一般的なヘアカラーとクリアカラーの違い
一般的なヘアカラーで髪が染まる仕組み
髪を明るく染めたい場合はヘアカラー(脱色剤入りのアルカリカラー剤)を使用しますが、カラー剤の中には「脱色剤」と「染料」が含まれていて、その配合で、「どれぐらい髪を明るくするのか?」「どの色に染めるのか?」が決まります。
カラー剤には脱色剤と染料の両方が配合されているので、一回のカラーリングで明るくしつつも髪色も変更できます。
脱色剤で明るくした後にシャンプーして流してから、もう一度着色剤(染料)で希望色に染めるという行為をしなくてもよいので、このヘアカラーのシステムは大変便利です。
市販のヘアカラーなどの場合では、こういった簡単で便利なヘアカラーの方が好まれると思います。
染料不使用・脱色剤のみの「クリアカラー」その役割とは?
しかし私たち美容師としては、時には、分けて染められるヘアカラーの方が良い場合もあります。
例えば、、、
- 染める(着色する)必要がなく、シンプルに明るくするだけで良い場合。(ダメージを減らすことができる)
- ジアミンアレルギーの人へカラーリングする場合は、ジアミン染料を使用しないヘアカラーが必要。
- 他のカラーと組み合わせて使用したい場合など。
こういった場合には染料不使用の、脱色剤のみのシンプルなカラー剤が活躍します。
様々な用途に応用できる「クリアカラー」
ジアミンアレルギーがある人へのカラーリング
ヘアカラーアレルギーを引き起こす原因は、ジアミン染料である場合が大半です。
その場合は、ジアミン染料を取り除くことで、アレルギーの人もカラーリングができます。
着色する必要がなく、明るくするだけで良い場合に最適
- 地毛より少しだけ明るくしたい場合
- 今よりもっと明るくしたい場合
- 自分の髪の色を楽しみたい場合
など、着色剤を使用する必要がありません。
染料不使用なので、ジアミンアレルギーの心配もなく、体に優しいカラーリングができます。
また、カラーリングの際のダメージも減らすことができます。(下記で解説)
他のカラーと組み合わせて使用することができる
植物由来の色素を利用する「草木染め」や、アレルギーの方でも染められる「カラートリートメント」をクリアカラーと組み合わせて使用することで、
- ジアミンアレルギーの人
- ジアミン染料が気になる人
- 敏感肌の人
などへ、配慮しながらカラーリングできます。
クリアカラーは従来のヘアカラーよりも髪のダメージが少ない
一般的なヘアカラーは、仕上がりの髪色よりも更に明るくなっている(=見た目以上のダメージがある)
美容院では髪の明るさを「レベル」で表します。黒髪は5レベル、金髪は13レベルなど。
「一旦12レベルまで明るくして、着色することで2レベル暗くなり、仕上りが10レベルになる」
という作業をしています。
仕上りは10レベルになっていますが、髪の下地の明るさは12レベルであり、髪のダメージは12レベル分だけ傷んでいるということです。
カラーリング後、およそ約1~2週間ほどして髪が明るくなるのは、もともとの髪色が希望色よりも明るくなっているからです。
一般的には、髪のダメージよりも「見た目」が優先されている
では、一体なぜカラーリングの際にこんなことをしているのでしょうか?
理由は3つあります。
- 仕上がり以上に明るくしておいて着色する方が、色をきれいに表現できるから。
- 着色することで暗くなるから。
- 塗りムラが起こっても隠しやすいから。
クリアカラーがダメージが少ない理由
クリアカラーが一般的なヘアカラーよりもダメージを減らすことができる理由はここにあります。
クリアカラーでは着色することがないので、10レベルに髪を仕上げる場合は、10レベルの明るさにするだけで良いからです。
従来のヘアカラーは着色する際に暗くなる分だけ余分に2レベルほど明るくしていますから、クリアカラーで着色しない施術を行うと、2レベル分のダメージを削減できるというわけです。
カラーリングをくり返すほど、髪のダメージは大きく変わる
カラーリングは1回して終わりというものではなく、ずっと続けていくものですから、この2レベルの違いが積もり積もって大きなダメージの違いになります。
ばっさりとショートカットにする人は気にならないかもしれませんが、
- ロング~ミディアムぐらいの長さを続けたい人
- これから髪を伸ばしていきたい人
- きれいな髪を維持したい人
などは「一度傷んだ髪は二度と元には戻らない」という観点からも、施術のダメージを減らすことが大切になります。
クリアカラーはダメージの大きな要因である「アルカリ剤」の量をコントロールすることができる
クリアカラーでは、髪を明るくできる「脱色剤の1剤」と「活性剤の2剤」を、求める明るさに応じて希釈しながら使用します。
たとえば、、、
- 12レベルに仕上げたい場合は、「1剤(1):2剤(2)」 1剤の1に対して、2剤が2倍。
- 10レベルに仕上げたい場合は、「1剤(1):2剤(5)」 1剤の1に対して、2剤が5倍。
- 8レベルに仕上げたい場合は、「1剤(1):2剤(10)」 1剤の1に対して、2剤が10倍。
髪をダメージさせるのは「アルカリ剤」
カラーリングの際に髪をダメージさせる要因は、1剤に配合されている「アルカリ剤の量」です。
このアルカリ剤と活性剤である2剤の過酸化水素水が反応することで、髪を脱色させる作用が生まれます。
2剤の過酸化水素水のみでは脱色できませんので、「1剤のアルカリ剤の量が増えるほどに脱色作用が大きくなり、髪がダメージする」ということになります。
ヘアカラーする際の「ダメージ増減のポイント」
- アルカリ剤の量が多い ・・・ 脱色効果が高くなり、髪色をより明るくできるが、ダメージします。
- アルカリ剤の量が少ない ・・・ 脱色効果が弱くなり、髪色はあまり明るくならないが、ダメージが減ります。
従来タイプのヘアカラーですと、10レベルに仕上げたいから「10レベルの1剤を選ぶ」という選択になります。
この場合、カラー剤を作っているメーカーが、1剤に配合されているアルカリ剤の量を決めており、その基準は日本人の平均の髪質に合わせてあります。
猫毛、細毛、明るくなりやすい髪質では、アルカリ剤の量が多くなり過ぎてしまい、不要なダメージを与えます。
クリアカラーでは髪質に応じてちょうどいいアルカリ剤の量を、お客様の髪質を理解している担当美容師が決めることができますので、不要なダメージを避けることができます。
クリアカラーの特徴「おさらい」
- ジアミンアレルギーでもカラーリングできる。
- カラーリングのダメージを減らすことができる。
- 草木染めやカラートリートメントなど、他のヘアカラーと併用することができる。
- 髪質に合わせてカスタマイズできる。
- 匂いがほとんどしない。
クリアカラーはどんな人のおすすめ?
- ジアミンアレルギーがあるけど、おしゃれ染めをしたい。
- カラーリングのダメージを減らしたい。
- ジアミン染料が気になる。
- ヘアカラーでかぶれやすい。
ビフォーアフター画像で仕上がりをチェック!
※今回は「クリアカラー」単体ではなく、「草木染め」を組み合わせてカラーリングしています。
クリアカラー+草木染め(前)
毛量が多くて、しっかりした髪質です。
いつもは自分で染めているそうで、毛先のダメージが気になるとのことです。
根元1cmが新しく伸びてきた所(リタッチ部分)です。
まずクリアカラーで根元1cmのリタッチ部分を、前回のカラーリングに合わせて明るくします。
毛先の退色して明るくなっている部分へは「草木染め」で補色しつつ、草木のトリートメント効果を利用して髪質改善を行うことにしました。
これを1度のカラーリングですべて行います。
今回使った草木染めは、紅麹(べにこうじ)が原料の紅色(クレナイ)です。
パサつきやゴワつきがあるダメージヘアを、カラーリングでしっとりまとまる髪へ改善していきましょう。
クリアカラー+草木染め (後)
草木染めは透明感のある淡い色が特徴なので、髪を暗くし過ぎてしまうことがありません。
明るい色をキープしたい時や、カラーチェンジしたい時、トリートメントしたい時などに最適です。
カラーリング後、手でさっと乾かしただけの状態です。
ブラシやアイロンなどを使って整えていませんが、ツヤがある仕上りになっているのが確認できると思います。
もちろん洗い流さないトリートメントを使用したり、フラッシュ撮影などもしていません。
ダメージした髪もこういう方法でごまかすことができるので、本当の髪の状態を見てもらいたいからです。
手で乾かすだけなのでスタイリングは超簡単、朝の忙しい時間もこれで大丈夫ですね。
他の仕上がりもチェック!
画像をクリックすると各ビフォーアフターの詳細をご覧いただけます。
クリアカラー「お客様の声・口コミ」
■いつもは明るくしてほしいと言ってもなかなか明るくならなかったが、今回は久々に明るくなったので嬉しい。
カラーをすると体調が悪くなることが多々あったが、ノンジアミンではならないので良いです。
■やわらかくなった。ツヤも出たと思う。
ダメージはなかった。
(もっと)ヘアカラーをしてみたい、傷んでないから。
■とても自分でも気に入りました。
ツヤ、髪の軽さを感じることができた。
ダメージなどは感じない。
今回のヘアカラーは自分に似合うと思うので、次も同じ風にしたいと思う。
クリアカラーに関する「Q&A」
クリアカラーでブリーチした時みたいに明るく染められますか?
ブリーチと同レベル(金髪レベル)には染められませんが、かなり明るめの茶髪ぐらいならできます。
クリアカラーの色持ちはどうですか?
染料を使って着色しないので、色落ちはありません。
クリアカラーはノンジアミンですか? ジアミンアレルギーでも染めて大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。
染料を一切使用しないので、ジアミンアレルギーがある人でも、カラーリングすることができます。
ヘアカラーの匂いやツンとした刺激臭が気になります。クリアカラーはどうですか?
大丈夫です。クリアカラーは無香料です。
ツンとした刺激臭はアルカリ剤が原因ですが、クリアカラーはアルカリ剤を希釈して使用するので、ほとんど刺激臭を感じないと思います。
施術した当日の夜に、シャンプーしても大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。
クリアカラーは染料を使用しないので、色落ちすることがありません。
いつもと同じようにお手入れをしてください。
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当店に初めてご来店される方へ「お試しクーポン」をご用意いたしております。ご来店の際にご利用ください。
当店では「安心・安全」を基準に使用する薬剤を取り揃えております。
ヘアカラーにしてもパーマにしても、人生を通して長いお付き合いになるものです。
その日1日だけをキレイに仕上げるのはそれほど難しくありませんが、お客様が本当に望まれるのは、
今だけではなく将来にわたって「キレイになりたい」「キレイを維持したい」
ということだと思います。
そのためには髪のダメージケアはもちろん、頭皮や体の健康もとても大切になります。
わたしたちが取り扱うメニューは、自分たちでも色々と調べて納得したものを厳選していますので、安心してご来店ください。
あなたにお会いできることを、心より楽しみにしております。